こまかく説明するまえに、じっさいにあったお手本を紹介します。

ある雪の日、雪のため、新幹線が遅れることを伝える車内のアナウンス。

「大阪、岐阜羽島間の雪のため、この列車は、名古屋駅で車両下に付着した雪を取り除く作業をしますので、出発が遅れます(1)。
雪をそのままにして走行すると、走行中に落下した雪が窓に当たってしまい窓が割れるなどの事故の原因となるおそれがあるためです(2)。」 

このアナウンスのどこがお手本か、(2)の部分がすばらしいんです。

普通の人は(1)しか説明しないので、なんで雪を取り除く作業が必要なのかわからず乗客はイライラし、クレームを言い出すかもしれませんが、(2)の説明を聞けば、なるほどと納得し、クレームもでません。

このように、聞き手が感じるかもしれない疑問、質問を予測してちゃんと説明する、これがこのアナウンスのすばらしいところです。

これは会社でも一緒ですね。上司が部下に仕事をたのむとき、「これ今日のお昼までに頼むね。いそいでね。」とだけ言うと、部下は言うとおりやりますが、「なんでそんな急ぐの?今日の午前ほかにやる予定のことがあったのに。」と不満を感じます。

このとき、「なぜお昼までにやらないといけないか」、さらには、「なぜもっと早く依頼できなかったのか」、事情を簡単に言うだけで、部下は不満どころか、「それはいそがないと大変だ」と納得してはりきってやります。 

さっそく、仕事をたのむときの言い方、頼み方、みなおしてみましょう。